おはようございます、マーリィです。
みなさん、サスティナブル(サステナブル)っていう言葉をどれくらい使っていますか？また、周りで使っている人はどれくらいいますか？
「私の周りではあまり聞かないし私自身もあまり口にしたことがない。」
そういう方、結構多いのではないでしょうか？
2015年9月に採択されてもうすぐ丸7年。目標の2030年まであと7年強。SDGsも折り返し地点ということで、ギター業界が取り組んでいるサスティナブルなプロダクトを振り返り、未来のための選択を改めて意識していきましょうというテーマで今回はお話していきたいと思います。
SDGsとは？
SDGs（エス・ディー・ジーズ）は、Sustainable Development Goals
「持続可能な開発目標」の略称。←この言い方ちょっと小難しいですよね
サスティナブルとは、半永久的に持続可能な循環の中に身を置くというような事。
つまり簡単に言うと、何も失わない、誰も不幸にならない、地球の命も脅かさない営みを世界ですすめていきましょうねという意味合いです。
2015年9月の国連サミットにてSDGsが全会一致で採択された背景には1970年代からずっと続いている、地球資源の枯渇や環境問題への危機意識があるのです。
17の目標についてこちらで具体的に解説されていますので合わせて見てみてください。
サスティナブルマテリアル
2022年、SDGsが採択されて既に7年が経とうとしています。特性柄、木を大量に消費するギターメーカー各社も、SDGsに取り組んでいます。その中の一つがマテリアルの見直しです。
アコースティックギターでは特に、ローズウッドやマホガニーの木を用いた商品が多かったのですが、年々供給数が減っています。
そこで、環境負荷の少ない素材を用いることで、音楽産業をより長く持続させようとしているんですね。
限りある楽器用木材
ギターで主に使用される木材マホガニー、ローズウッドを筆頭にレッドリストに加えられています。高級な品種は違法伐採された個体も存在し、年々数が減っているのは価格が高騰していることからも明らかです。
昔から愛される高級楽器を未来へ繋ぐため、各メーカーはプロダクトの中にサスティナブルな素材を組み込んでいます。
レッドリストとは？
国際自然保護連合が作成した絶滅のおそれのある野生生物のリストのこと。正式名は「 The IUCN Red List of Threatened Species」。
およそ5年ごとに更新され、2022年3月現在で最新のバージョンは2017年版。
持続可能と認証された木材を積極的に使用
国産大手楽器ブランドのYAMAHAは持続可能と認証された森林から楽器用材を産出。2019年度は28%だった認証木材採用率が2020年には48%に向上しています。また、従来は産業廃棄物として捨てていた木くずや木っ端を補強材や燃料に転用したり、おがくずを牛の寝床に提供したりと資源の再利用を推進しています。
限りある資源を無駄なく使用
老舗USAブランドのMartinはギター用に十分ではないサイズの端材を圧縮/集成材にして木目調のプリントを施すことで資源を無駄なく再利用しつつ新たなギターを生み出しています。
Little MartinやXシリーズとして全国の楽器店で販売されています。
木材だけでなく人工素材も採用
再生紙に樹脂を含浸させて高い強度を持たせた繊維質Ritchlite(リッチライト)。黒々しい見た目は高級感があり、Gibson、Martinプロダクトの指板やブリッジ等に積極的に活用されています。
木材の価値をリバランス
Taylor Guitarsはエボニーの輸出可能国カメルーンの木材加工場を買い取り、今まで色味だけの問題で廃棄されていた木材も同価格で仕入れ、現場労働者とのフェアトレード及び絶滅の危機に瀕している木材の救済(有効活用)を実施。ギターへ使用できそうな新しい木材の模索も常に行っていて今使われている樹木の存続にも貢献しています。
ファイバー素材
Ovation Guitarsは1960年代の創業当初からグラスファイバー(ガラス繊維)強化プラスチック素材を用いることで他社との差別化を測っていました。驚くべきなのはその音響特性の良さで、木材に引けを取らないどっしりとしてしなりの良い響きを持っています。音だけでなく今見ても古さを感じさせないデザインは、全く色褪せることなく今なお根強いファンがいる他、若い世代からも支持されています。
Lava meやRainSongなど、全面にカーボンファイバーを使用したギターも登場しています。
100%自然に還るピック
2022年2月2日、Schecterから環境に優しいバイオマス素材のピックが発売されました。
強度触った感じはしっとりとしていて、良いグリップ感。性能的な特徴としては摩耗に強く高耐久、普段ミディアムを使っている方には1.2mmと少しぶ厚めです。しかしほどよいしなりがあって硬すぎず、ピックはミディアム派のわたしですが違和感は全くありませんでした。
自然界に存在するバクテリアにより水と二酸化炭素に分解してくれるので環境に負担を与えません。また、価格も110円(税込)ですので多くの他のピックとお求めやすさも変わらないため、試したことがない方は是非一度手にとってみてはいかがでしょうか？
こんなピックがワールドスタンダードになってくれれば、ギター業界がサスティナブルに一歩近づきますよね。
ポチップ ポチップ自然保護活動
Taylor Guitarsは持続可能な林業の実践を継続するために、先住民族の森林に恵まれた非営利団体であるグリーンウッド・グローバルのような環境団体と先駆的なパートナーシップを結び、エボニーの植樹活動を行っています。
YAMAHAはタンザニアの地で現地NPO法人と協力し、レッドリストの準絶滅危惧種に指定されているアフリカンブラックウッドの植樹活動を行っています。
良質な楽器と音楽を未来に繋げるため、各楽器メーカーは自然保護活動も精力的に推進しているのです。
最後に…SDGsは「未来」のために
月並みですが、未来のために何かを選択することは今を生きる我々にしかできません。
振り返ってみて、何も意識できてなかったな…と思ったら、まずは自分の好きな事(未来に残したい事)から！
意識し始めたところからがスタートで、いつ始めても遅くはないです！みんなでギター業界や音楽業界をサスティナブルにしていきましょう♪