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木材解説:世界三大銘木のひとつ「ホンジュラスマホガニー」

ホンジュラスマホガニー解説

Swietenia macrophylla

この記事ではトップ、サイド&バック、ネックに主に使われるホンジュラスマホガニーについて解説していきます。

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マホガニーとは?

Swietenia macrophylla

センダン科マホガニー属の3樹種のことで、英名もそのまま「Mahogany」。学名は「Swietenia」。世界三大銘木のうちのひとつで、ワシントン条約により伐採が禁止されているため最も入手が難しい。現在アコースティックギター材で主に使われている純正マホガニーは「ホンジュラスマホガニー」です。

センダン科マホガニー属の3樹種とは?

  • 通称「キューバンマホガニー」(学名「Swietenia mahagoni」)
    • キューバやフロリダ半島南部原産のマホガニーで、私自身、触ったことはおろか実際に見たこともない超高級品でほぼ手に入りません。かつてマフィアやギャングが違法伐採して資金源にしてしまっていたらしく、生産者を証明しなければ輸出入が禁止(CITES附属書IIに指定)されています。昔のギターに使われていたそうですが明確なデータが無く、音は芯があり甘いらしいです。
  • 通称「ホンジュラスマホガニー」「オオバマホガニー」「ジェニュインマホガニー」(学名「Swietenia macrophylla」)
    • キューバンマホガニーが入手困難になってから人気が高まった樹種。こちらはホンジュラス原産のみCITES附属書IIに指定されています。
  • 通称「メキシコマホガニー」「ホンジュラスマホガニー」(学名「Swietenia humilis」)
    • グアテマラやホンジュラス、メキシコ南部に分布しているマホガニーで、ややこしいですが、こちらもホンジュラスマホガニーと呼ばれています。CITES附属書IIに指定されています。

アコギに使われる他の樹種と大きく違うことは、マホガニーじゃない木材もマホガニーと呼び使用されていることです。

初めて聞いた人は「ナンデ?!Σ(゜д゜;)」って思うじゃないですか。その背景は、というとホンジュラスマホガニーはそのほとんどがワシントン条約の附属書IIに指定されており、輸入するには相当なコストが掛かるので市場価格が高騰している状況なんです。そして、マホガニーと見た目がかなり酷似している木材があるんです。そこに世界三大銘木の一つというネームバリューを借りてくれば絶対に売れますよね。

それがセンダン科カヤ属、通称「アフリカンマホガニー」。メーカースペック等でよく見る「マホガニー」は本当はマホガニーではなく代替材なのです。

ワシントン条約とは?

絶滅のおそれがある野生動植物の存続を脅かすことがないよう、国際的な取引(輸出入)を規制する条約。正式名称は絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約( Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)」。採択された地がワシントンであったため通称ワシントン条約、または英名の頭文字をとってCITES(サイテス)と呼ぶ。規制の具合によって附属書I〜IIIに分類される。

  • 附属書I
    • 絶滅のおそれがある種。商業取引が規制されており、各国の政府機関(日本=経済産業省)による輸出入許可証が必要。ハカランダ(Dalbergia nigra)は1992年8月に附属書Iに指定されているため、大規模な制限がかかっている。
  • 附属書II
    • 絶滅のおそれは無いが、違法な手段で捕獲や採取、取引が行われないために掲げられる。輸出入の際に合法的に手に入れたことを証明する許可証が必要。
  • 附属書III
    • 世界的には絶滅のおそれが少ないが、その地域内で絶滅のおそれがある種が揚げられる。主に商業目的のための国際取引の制限の協力を求めるものである。附属書IIIに掲げられた場合、輸出国の輸出許可書または原産地証明書(附属書IIIの協力を求めた国以外である証明)等が必要。

ホンジュラスマホガニーの特徴

辺材は灰白色~黄白色、心材は橙褐色または紅褐色で、アフリカンマホガニーと比べてやや黄色味が強い色を持ちます。

乾燥による狂いが極めて少なく、耐久性が高い。美しい木肌と優れた木質を持ち、上述の通りワシントン条約により輸出入に規制がかかっていますので採用されているモデルはやや高いです。

気乾比重は0.66で、アフリカンマホガニーと比べると少し重め。音質も全く異なり、タッピングするとカランと抜けの良いストレートな音が鳴ります。

アコギの主要サイドバック材気乾比重
アフリカンマホガニー0.56
ホンジュラスマホガニー0.66
インディアンローズウッド0.85
マダガスカルローズウッド1.12
ココボロローズウッド1.20
ホンジュラスローズウッド0.94
ブラジリアンローズウッド0.98
ビッグリーフメイプル0.55
ハワイアンコア0.68
サペリ0.65
ウォルナット0.62
オヴァンコール0.80

気乾比重とは?

木材を乾燥させた時の重さと同じ体積の水の重さを比べた値のことで、木の硬さや強度を示す基準の一つ。

数値が大きいほど重く、小さいほど軽い。この数値が1を上回ると水に沈みます。

世界で最も軽い木はバルサ(0.1)で世界で最も重い木はリグナムバイタ(1.3)と言われているらしいです。

ホンジュラスマホガニーのあふれる魅力

銘木と呼ばれるだけあって艶のある美しい木肌を持つホンジュラスマホガニーですが、素晴らしい音響特性も兼ね備えています。

中音域に優れたふくよかであたたかみのある音色。なのに抜けが良く、芯の通った鳴り。透明感があり、明るくてパワフルなトーン。タッチレスポンスも明瞭で細かなニュアンスにも追従してくれます。

多少お値段は張りますが、間違いなくそれに見合うだけのポテンシャルを持っている、アコースティックギターに最適な最高級木材のひとつです。

ホンジュラスマホガニーを使用している代表的なモデル

メーカースペックを見て「マホガニー」を使っているモデルは数あれどホンジュラスマホガニーを明記しているモデルはまあ少ないです。

低価格なモデルではたまに中国製のハイコスパモデルがありますが国産クラス以上になると20万円は少なくとも越えてきますし、もちろんオール単板仕様。

その中でも私が弾いてこれはおすすめできる!と感じたそこまでお高くないモデル2機種をご紹介します。

K.Yairi DR-WD110

K.Yairiのホンジュラスマホガニー採用モデルDE-WD110。おそらく店頭で見かけたという人はかなり少ないはず。Gibson J-45のようなラウンドショルダースタイルで音色もそういう感じなのかと思いきや、正統派で結構キレイな響きが味わえちゃう隠れた名品です。ナチュラルサテン仕上げで木のぬくもりを感じる佇まいと素直な音色、ナット幅42mmの細めネックは女性の方にもとてもおすすめです。残念ながらサウンドチェックができそうな動画が見つかりませんでしたが、店頭で展示しているお店があれば是非一度触ってみてください。ヤイリのギターなので、最初からガンガン鳴るわけではありませんがじっくり弾きながら育てる楽しみもありますし何より永久品質保証はとんでもない魅力です・・・。

出典:K.Yairi公式サイト

こんな人におすすめ

  • どんなジャンルにも使える素直な音色のアコギが好き
  • 時間を掛けて自分と一緒に育っていくギターを手に入れたい
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Gibson J-45 Standard

もはや説明不要なほど有名なJ-45の最新バージョンはなんとホンジュラスマホガニーを採用しています。

よく「個体差が大きい」とか、「ネックが太い」とかギブソンのイメージを語っている人を見かけますが、そういうの抜きにして一度触ってみてください。数年前、Gibsonが(人気があったという意味ではなく)全国の店舗から無くなった時期があるのですが、その時のGibsonと今のGibsonは全く違います。

ウォームかつエッジの効いたジャキッとしたパワフルでアメリカンなサウンドはGibsonにしか出せない大きな魅力。中音域を中心にまとまりの良い倍音がまっすぐ前に向かって飛んでいく感覚は、聴衆はもちろん弾き手にも心地よいバイブレーションとなって伝わります。何気ないコードワークをエキサイティングにしてくれる素晴らしいモデルです。常に一定の人気がありますが最近さらに需要が高まっており、品切れ店舗が続出中ですので注意です。

出典:Gibson公式サイト

こんな人におすすめ

  • 難しいことは抜きにしてラフに楽しくジャカジャカ弾けるギターが好き
  • 大きなサイズのギターをパワフルに弾きたい

「J-45 Standard」のサウンドチェック

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奥の深いマホガニーの世界

塗装無しでも美しい色調で腐りにくいため、高級家具にも珍重されているマホガニー。現在ではアフリカンマホガニーがマホガニーとして扱われていますが、やはりホンジュラスマホガニーは魅力的です。

アコースティックギターの黎明期からローズウッドと人気を二分しており、MartinやGibsonの代表的なモデルに今でも使われていることから、その音響特性の良さは立証済み。

本物のマホガニーの音色を求めるなら是非ホンジュラスマホガニー、キューバンマホガニー【私も探し求めています。】を検討してみてはどうでしょうか。

 

 

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