ハワイアンコア
Acacia Koa
この記事では美しい木目と優れた音響特性を持つ高級材ハワイアンコアについて解説していきます。
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ハワイアンコアとは?

30mを越す逞しい大木に育ちやすいマメ科ネムノキ亜科アカシア属の樹木。ハワイ原産。というかハワイ諸島にしかないようです。学名はAcacia Koa。現在はレッドリスト「低危險種」に加えられており、ハワイ政府は輸出を制限して種の存続を管理している。
レッドリストとは?
国際自然保護連合が作成した絶滅のおそれのある野生生物のリストのこと。正式名は「 The IUCN Red List of Threatened Species」。
およそ5年ごとに更新され、2022年2月現在で最新のバージョンは2017年版。

特徴
同じマメ科のローズウッドと比べると木目の表情も密度も全く異なり、どちらかというとホンジュラスマホガニーに近いと言える。稀に現れる美しい杢は大変魅力的でありとても希少価値が高いため高値で取引される。
音質はウォームなのに音の輪郭がしっかりとしていてクリアー。ローズウッドほどの重みは無いですがしっかりとボトムも出てくれて、非常に音楽的な鳴りを持っている印象です。ちなみに、ブラックウッドという材も同様のイメージで、コアに近い音響特性です。
アコギの主要サイドバック材 | 気乾比重 |
---|---|
アフリカンマホガニー | 0.56 |
ホンジュラスマホガニー | 0.66 |
インディアンローズウッド | 0.85 |
マダガスカルローズウッド | 1.12 |
ココボロローズウッド | 1.20 |
ホンジュラスローズウッド | 0.94 |
ブラジリアンローズウッド | 0.98 |
ビッグリーフメイプル | 0.55 |
ハワイアンコア | 0.67 |
サペリ | 0.65 |
ウォルナット | 0.62 |
オヴァンコール | 0.80 |
気乾比重とは?
木材を乾燥させた時の重さと同じ体積の水の重さを比べた値のことで、木の硬さや強度を示す基準の一つ。
数値が大きいほど重く、小さいほど軽い。この数値が1を上回ると水に沈みます。
世界で最も軽い木はバルサ(0.1)で世界で最も重い木はリグナムバイタ(1.3)と言われているらしいです。
惚れ惚れする美しい杢はギタリスト憧れの的

黄金色の木肌と横に走るカーリー杢は他のどの木材にも無いハワイアンコアだけの魅力。単板は高級モデルにしか用いられませんが、合板であれば良杢も比較的お手頃な価格で手に入れることができます。


ハワイアンコアを使用している代表的なモデル
ハワイアンコアは基本的に特別なモデルで使用しているメーカーが大多数です。平常ラインナップからメインで展開しているのはTaylor、Takamiine、Ovationぐらい。その中でも2017年のセールスで全米ナンバーワンに輝いたことのあるTaylor 224ce Koa Deluxeをご紹介します。
Taylor 224ce Koa Deluxe
老舗定番モデルMartin D-28,Gibson J-45を押さえて全米でトップセールスを記録したTaylor 224ce Koa Deluxe。サイドバックはカーリー杢の出たコア合板、トップはなんと単板を使用したオールコアモデルです。縁側が濃く、バーストフィニッシュになっているのもかっこいいですね。
コアはスプルースやシダーに比べ密度が高く、ギター全体の響きにもかなり影響を与えそうですよね。しかしサウンドチェックで聴いていただければお分かりいただけるかと思いますが、重厚でどの音域もフラットに出てくれるバランスの良い音作りはさすがTaylor。しっかりとしたローミッドが土台となってきらびやかなハイが華を添え、美しい倍音を形成しています。

こんな人におすすめ
- オールジャンルで使える高耐久高音質エレアコを探している
- ハワイアンコアに憧れている

特別な材として珍重されているコア
その美しさから高級家具やウクレレにも使用されているハワイアンコア。
しかし木目が美しい個体はとても貴重で、単板で採用するとなると70~80万円を超える限定モデルにしか使われません。
色は付けず、木目を生かしたナチュラルフィニッシュが多いのも、コア本来の美しさが評価されている証拠ですね。