この記事では、これからギターを始める方へおすすめのモデルをご紹介いたします。
選ぶ基準
大きすぎるモデルは長時間練習がつらい

「どんなギターを選べばいいの?サイズは一緒?」
似たような形のモデルが多く、見た目では違いが分かりにくいですよね。
モデル名に「D」が付くドレッドノートタイプ、「J」が付くジャンボタイプ、YAMAHAの「FG」を始めとするウェスタンタイプはポピュラーな形をしていますが実はアコースティックギターとしては大きなサイズ。
力強い音を鳴らすことができますが、小さいモデルよりも抱える時にやや右肩が上がり気味になり長時間の練習には不向きです。
「好きなアーティストが使っているのを見て、どうしてもこのモデルで始めたい。」
「体が大きいので小さいギターはおもちゃみたいに見えてしまう。」
という事がない限り、最初の1本目は少し小さめのOOO(トリプル・オー)、Auditorium(オーディトリアム)、フォークギター・サイズ以下にしましょう。
(写真のモデルはMartin D-28 Standardという定番機種ですが大きなドレッドノートタイプです。)
初心者へ最適なのは「音が良くて弾きやすい」モデル

「どうせ音の良し悪しなんて分からないから」
と音質にこだわらずにギターを選ぶのは勿体ないです。
というか、良い音は絶対に分かるので是非生で聴き比べてみてください。笑
楽しく上達するために必要な要素は次の3点です。
- 音が良いか
- 弾きやすいか
- 演奏したい曲を決めて練習する
この3つが揃っていればアコギは確実に上手くなっていきます。
予算はなるべく上げる
1〜2万円台は論外

「メリットは1つだけ」
1万〜2万円台のモデルは「低予算で手に入る」というメリットを除いてデメリットだらけです。
デメリット
- 作りが粗く見た目や仕上げに不満が出てくる
- 低水準スピード重視検品なので修理や調整が頻繁に必要
- 本体価格に対して修理費用が高くつくので保証期間が過ぎたら買い替え時
- 弾きにくくて音が悪いので練習は当然楽しくない
店頭品に初期不良があった際は「返品する送料がもったいないので破棄してください」というオペレーションの代物ですので、おすすめしません。
3万円台〜5万円台はYAMAHA一択

「おすすめはYAMAHA FS830」
メーカー希望小売価格:46,200円(税込)
正直、この価格帯はどんぐりの背比べです。
その中で特にスペック自体が優れているというわけでもないのですが、強いて言うならばYAMAHA FG&FS800シリーズ(800,820,830,850)が頭一つ出ています。
私のおすすめはサイズ感、音質いずれも優れているFS830一択です。
詳しいスペックはメーカーサイトにあるので割愛しますが、ポイントとしてはサイドとバックにインディアン・ローズウッドを採用している事です。
近年枯渇しつつあるほど人気の材で、美しい高音からずっしりと重い低音を出せるためレンジ(音域)が広く、楽しみながら鳴らすことができるでしょう。
メーカー希望小売価格:46,200円(税込)
中古はダメなのか?

「知識や経験値があるなら中古は有利
中古ギターを買う際のメリットとデメリットはざっくりと以下の通り。
メリット
- 新品よりも安く買える
- 弾き込まれており音が育っている
- 限定モデルなどいまや新品では手に入らないものも買える
デメリット
- メーカー保証がなくアフターサービスは販売店のサポート頼り
- ネック、ボディ、力木、フレット、ナット、サドル、ブリッジ等の状態を見極める必要がある
結論は、ギターの状態がある程度理解できるようになってからの2本目以降なら良いと思います。
ギターに対する経験値が多くなるほどデメリットが打ち消されてメリットだけが残るからです。
逆に、最初はメーカーサポートに頼れる方が無難だと思います。
おすすめ4選をご紹介!
一部のお店でしか購入できないプライベートブランドやコラボ(限定)モデルは除外して選出しました。
入門者向けギターとしておすすめされているモデルは世の中にたくさんありますが、
私が実際に弾いたことがあって忖度無しにこれ以外ないと思えるものを選びましたので是非ご参考にしてください。
YAMAHA LS6 ARE

圧倒的コストパフォーマンスで他の追随を許さないシリーズ
メーカー希望小売価格:66,000円(税込) メーカーサイト
決して誇張表現ではなく、この価格帯でこれの右に出るシリーズは他にありません。
海外に自社工場を持つYAMAHAならではの圧倒的なクオリティです。
3〜5万円台ではYAMAHA FS830が頭一つ出ていておすすめである、
とご紹介しましたがLS6AREはその完全上位互換です。
おすすめPOINT
- トップ材にイングルマン・スプルース単板を採用しており中音域に強い特性
- サイドバック材にローズウッドを採用して低音域と高音域にも強い
- 新品なのに弾き込まれた状態を再現するARE加工をされており圧倒的な音量と音圧
- パッシブながらピックアップを標準搭載
- 5層構造の高強度ネックで反りに強い
- 付属のケースがこの価格帯のグレードではあり得ない頑丈で軽量なライトケース
- Elixir弦を標準搭載
TOP | イングルマン・スプルース単板(A.R.E.) |
SIDE&BACK | ローズウッド |
NECK | マホガニー&ローズウッド5Ply |
FINGERBOAD &BRIDGE | ローズウッド |
NUT WIDTH | 44㎜ |
SCALE LENGTH | 650㎜ |
ELECTRONICS | Passive Piezo PU |
FINISH | ウレタン・グロス仕上げ |
LIST PRICE | ¥66,000(税込) |
CASE | ライトケース |
MADE IN | 中国 |


Naga S-20GAC

Naga Guitars自体は数年前に中古を弾いたことがあり、価格の割にとても良かったのですがそれが最初で最後。それ以降全然見なくなってしまいましたが、現在は三木楽器が輸入代理店をして国内へ流通し始めています。
S-20 GACはYoutubeで話題を集めた凄腕天才Finger Style Player チョン・スンハ氏とNaga Guitarsが共同して開発したLightシリーズのロー・ミドル・クラスモデル。本当に弾きやすくてレスポンスがかなり良いので価格を越えたクオリティであることは間違いないです。2本目でソロギターを始めたい人にもおすすめ。
おすすめPOINT
- トップ材にイングルマン・スプルース単板を採用しており中音域に強い特性
- サイドバック材にローズウッドを採用して低音域と高音域にも強い
- 輸入時点で標準以下に設定された弦高で楽々押弦できる
- 軽く弾いてもパワフルな音量を発揮する鋭いレスポンス
- 強変則チューニングにも安定して対応する655mmのロングスケール
- GOTOH 510を意識した操作性の良いマシンヘッド搭載
TOP | イングルマン・スプルース単板 |
SIDE&BACK | ローズウッド |
NECK | オクメ |
FINGERBOAD &BRIDGE | リッチライト |
NUT WIDTH | 44㎜ |
SCALE LENGTH | 655㎜ |
ELECTRONICS | 無し |
FINISH | グロス仕上げ |
LIST PRICE | ¥77,000(税込) |
CASE | 専用ソフトケース |
MADE IN | 中国 |
(取り扱い店舗がまだまだ少なく、商品リンクをご用意できませんでした。店頭でお探しいただくかお問い合わせください。)
Taylor Academy 12

ギターを弾く楽しみを教えてくれるエントリーモデル
メーカー希望小売価格:107,800円(税込) メーカーサイト
「ビギナーの方が途中でギターをやめてしまわないよう」ストレスなく楽しく弾いてもらうえる理想のフルサイズ・ギターとして開発されたシリーズ。
世界トップクラスのシェアを誇るTaylorが初心者のために考え抜いたデザイン。弾きやすく、強弱の弾き分けも容易にできるのでギターを弾くのがどんどん楽しくなること間違いなし。アームレストが付いているので長時間の練習も楽ちん。
おすすめPOINT
- シンプルで無駄を省いた抱えやすく弾きやすいデザイン
- 聴きやすい中音域に強みを持つサペリをサイドバックに採用
- 高強度のアーチ状バックでブレイシング不要かつ強力な鳴りを実現
- Taylorらしい素直で輪郭がくっきりとしたクリアなサウンド
- 開放的な響きでピッキングの強弱にしっかり応えてくれる
- Elixir弦を標準搭載
TOP | シトカ・スプルース単板 |
SIDE&BACK | サペリ |
NECK | ハードロックメイプル |
FINGERBOAD &BRIDGE | エボニー |
NUT WIDTH | 42.9㎜ |
SCALE LENGTH | 631㎜ |
ELECTRONICS | 無し |
FINISH | 艶消し仕上げ |
LIST PRICE | ¥107,800(税込) |
CASE | 専用ギグケース |
MADE IN | メキシコ |

K.Yairi LO-95

一生モノのアコギにできるモデル
メーカー希望小売価格:148,500円(税込) メーカーサイト
岐阜県可児市にある1935年創業の老舗ギターメーカーK.Yairiの傑作モデル。AngelシリーズLO-95はドレッドノートボディを約85%にしたオリジナルシェイプLOとローズウッドサイドバックを採用したミドルクラス・モデル。
このモデルの何が素晴らしいかと言うと、レンジ(音域)の広いローズウッドとドレッドノートの倍音構成、音圧はほとんどそのままにサイズダウンして弾きやすくなっています。圧倒的に抱えやすいのに本当にドレッドノートの鳴り方をしています。
音色に関しては、Yairiギターはどのモデルも「木がちゃんと鳴っている」感じがします。あたたかくて優しい木の音色が好きな方に特におすすめ。
そしてネックも日本人に合わせて少し細めの42mmナット幅、ソフトVシェイプネック。他のブランドとは全く違う弾き心地を感じることができます。
K.Yairiのギターは各セクションのスペシャリストが分業で仕上げていますが、どんなモデルも最低6ヶ月かけて製作されており決して大量生産ではありません。なので在庫がない時は待つしかないです。
おすすめPOINT
- なんといっても抱えやすくて音圧も大きいので弾いていて楽しい
- あたたかみのあるやさしい音色を心地よく響かせることができる
- 手の小さい人でも弾きやすいネックプロファイル
- 頑丈に作られており弾き込むほど鳴りが育っていくのが分かる
- 永久品質保証付きでファーストオーナーは修理費が他ブランドの約1/3程度
- ギターをしっかり守るハードケースと湿度調整フレットガード付き
TOP | スプルース単板 |
SIDE&BACK | ローズウッド |
NECK | マホガニー |
FINGERBOAD &BRIDGE | エボニー |
NUT WIDTH | 42㎜ |
SCALE LENGTH | 645㎜ |
ELECTRONICS | 無し |
FINISH | ウレタン・艶消し仕上げ |
LIST PRICE | ¥148,500(税込) |
CASE | ハードケース |
MADE IN | 日本 |

最後に
いかがでしたでしょうか?今回の記事があなたのお役に立てれば幸いです。
最後の4選は私の主観がかなり入っていますが、本当に自信を持っておすすめできるものをご紹介いたしました。
分からないことがあれば是非お気軽にお問い合わせ欄からメッセージもしくはコメントをください。
それでは皆様、引き続き良いアコギライフを!