
今回はあるあるトラブルシリーズ「ナットがポロッととれてしまった時、どうする?」について記事を書いていきたいと思います。
この記事はこんな人におすすめ
- ギターのナットが外れてしまったけど、このままで良いものか悪いものか分からない。
- ナットが外れてそのまま無くしてしまった。
ナットは接着されてなくても問題ありませんが、少し不便なので再度接着しておきましょう。
まず、ナットがどこか分かりますでしょうか?

そう、ヘッド近くにあるこの部分ですね。
商品出荷時には瞬間接着剤で止まっていて、衝撃を与えると取れるようになっています。
取ろうと思えば簡単に取れる強度でしかくっついておらず、接着しなくてもチューニングをすれば動かなくなりますので音にはほぼ影響ありません。
※クラシックギターは最初から接着されていません。
ただ、チューニングを緩めた際にナットがズレてしまうとややこしいので、出来れば早めに以下の手順で再度とめてあげましょう。
接着面を清掃
木くずや古い接着剤を彫刻刀やノミ等で綺麗にします。

ピッタリハマるか確認
ナットを置いて木部とぴったりくっついているかどうか確認します。隙間がある場合等は①に戻ります。
ナットが触れる木部に接着剤を塗布
両端と真ん中あたりの3箇所に1滴ずつ瞬間接着剤を塗布します。ゼリー状の接着剤推奨です。

ナットをくっつけて30秒間程手で抑える
位置がずれないように注意してナットを抑えましょう。
ひとまずこれでしばらくはナットがまた取れるということはないでしょう。
もしまたすぐに取れてしまった場合はナットのサイズが指板に合っていない可能性があるため、作り直したほうが無難です。
ナットが既に手元にない場合
ナットを無くしてしまっても、決して焦らずケースの中や弦を緩めてから移動した場所を入念に探してください。
もし見つからなかった場合は、リペアマンにナット製作をお願いしましょう。せっかくなので材質を選ぶのも良いと思います。
ナットの材質 | 特徴 |
---|---|
プラスチック | 最も安価で耐久性の低い材質。 軽快な音色。 |
牛骨(漂白) | 高い耐久性を持つ漂白された牛骨。 音色はプラスチックよりも硬めで少し重量感がある。 |
牛骨(無漂白) | 漂白牛骨に近い音質。耐久性はこちらの方がわずかに高い。 オイルに漬け込んだものは潤滑性が高く、チューニングの安定性が上がる。 |
デルリン | 半透明・乳白色の樹脂素材。1802年に生まれたエンプラ(高強度プラスチック)の一種。 結束バンドの素材でもある。滑らかで角の取れた音色。 |
ブラス | 真鍮。磨くと金色に輝くが酸化しやすく、良い意味で言うと味わいが出る素材。 フレットの音に近いので、開放弦とフレットを押弦した時の音質の差が少なくなる。 |
TUSQ (タスク) | グラフテック製の人工象牙と銘打たれた合成樹脂。 「カキン」と金属的な響きに近く、しかし軽快な特性を持っている。 |
BLACK TUSQ | テフロンのマイクロ分子を含んだ合成樹脂。 弦が振動するごとにテフロンが放出され潤滑性を保ちチューニングを安定させる。 |
カーボン | カラッとした枯れた音色が特徴の素材。 潤滑性に乏しいため、チューニングを安定させるには溝を少し太めに調整する必要あり。 |
象牙 | 繊維が入っており磨き上げると見た目にも美しい高級材。 芯材に近く、虫食いのない良質な個体は非常に密度が高い。 タイトでレスポンス良く音質の向上が素人目(耳)にも分かる。 |
焦らず冷静に対応しましょう♪
ナットがぽろりと外れてしまっても、焦らなくてぜんぜん大丈夫です。再接着の時に高強度のボンドやエポキシ系接着剤を使うと、取りたい時に全然取れなくて面倒なので、必ず瞬間接着剤を使用してくださいね!
それでは皆様、引き続き良いアコギライフを♪