

日常にイノベーション!!
2019年のコロナ以降、個人の空間が見直されて防音室の需要も一気に上昇しましたね。
駅にパーソナルスペースが設置されるようになって集中して軽作業ができる施設が増え、フィットネスにも視覚を遮って没頭する類の運動が増えました。
新作イヤホンにもノイズキャンセリング機能が当たり前に付帯している近年では、集中できる空間がある人生と、ない人生の選択肢が顕在化してきたとも言えます。
そう、防音室というのは部屋の外に音を漏らさないという事に焦点を置かれがちでしたが、実は中にいる人の集中力を上げて有意義な時間を提供してくれるシロモノなのです。
楽器店で防音室を販売してきた私の経験を生かし、皆さんにとっても提案させていただく価値があると思いましたので本記事で(主にユニット)防音室の解説をして参ります。
誰にも気にすることなく集中できる、もしくは能率がアップするということはどういうことでしょうか?かけた時間は同じでも成果が見違えるほど変わり、それが今後の人生で数えきれないほど何度も積み重なっていくとなるとどうでしょうか?
買う買わないは別にして、選択肢として知っておいた方が良いです。ぜひ最後まで記事をご覧くださいませ。
防音室とは?高い静粛性でテレワーク、配信、作業部屋としても活躍!
「防音室」と聞くと、音楽スタジオやプロのレコーディングルームを思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、近年では テレワークや動画配信、勉強や作業スペース としても注目されています。
特に、オンライン会議が増えた昨今では、周囲の生活音を遮断し、クリアな音声で通話できる環境が求められています。また、ゲーム実況や楽器演奏、ナレーション収録など、外部からのノイズが入りにくい静かな環境が求められるシーン でも防音室は大活躍します!
防音とは?

音は空気や個体が振動することにより伝搬します。壁の向こう側まで透過する音を透過音と言います。この透過音を減らすのが防音です。
では、どうすればこの透過音が減るの?といいますと、主に下記の3要素から防音を構成することになります。
壁や床や天井を二重にしてその間に空気層を作り個体伝搬音を軽減する
壁の質量を増やす等で音を反射させて透過させない(=遮音する)
入射音をフィルターして吸収する(=吸音する)
1~3を組み合わせることで真に高い防音効果が発揮できます。DIYや簡易防音室ですべてが網羅できる訳ではないので、未だに防音室が重宝されているのが分かりますね。
これがあれば何でもできる!防音室の効果は超絶大!
防音室のメリットを具体的に挙げると、以下のような点があります。
内部⇒外部だけでなく、外部⇒内部の騒音をシャットアウトできる(集中力UP!)
大音量の音楽や演奏も周囲に迷惑をかけにくい(演奏や録音に最適!)
動画配信やゲーム実況もノイズを抑えてクリアな音質で録音可能!
家族や近隣の生活音を気にせず、快適なテレワーク環境を作れる
防音室を導入することで、趣味や仕事の幅が一気に広がるのは間違いありません。
遮音等級の見方
防音性能を比較する際に重要なのが 「遮音等級(Dr値)」や「音の減衰レベル」 です。
遮音等級は、”Dr-30” ”Dr-35” ”Dr-40” ”Dr-50” 等で表記され、騒音レベル(db=デシベル)がDrの後に続く数値を引いた騒音レベルまで下がることを意味します。
遮音等級 | 主な製品(サービス) |
---|---|
Dr-20 | だんぼっち || OTODASU II || その他の簡易防音室 |
Dr-30 | KAWAI LVSX,MVSX,MVCXシリーズ |
Dr-35 | YAMAHA セフィーネNS AMDB || KAWAI LHSX,MHSX,MHCX,OHX,OHPX |
Dr-40 | YAMAHA セフィーネNS AMDC || KAWAI LKSX,MKSX,MKCX,OKX,OKPX |
Dr-50 | KAWAI 高遮音UWSタイプ |
Dr-51以上 | KAWAI オーダータイプ・フリープラン || その他の在来工事 |
防音室を選ぶ際は、この数値をチェックし、自分の用途に合った遮音レベル を選びましょう。
防音室の種類
防音室には、大きく分けて 「防音工事タイプ」 と 「ユニットタイプ」 の2種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
在来防音工事
部屋全体を防音仕様に改修する方法 で、メリットとデメリットは下記の通りです。
防音性能が高く長期的に使える
部屋の広さに応じてカスタマイズ可能
工事費用が高額(数百万円以上かかることも)
原状回復が難しいため賃貸では設置不可
ユニットタイプ
組み立て式の防音室 で、既存の部屋の中に設置するタイプ。メリットとデメリットは下記の通り。
賃貸でもOK(撤去可能)
価格が比較的リーズナブル(30万円~)かつ中古販売やレンタルもある
工事不要で手軽に導入できる
フリマサイトや中古取扱業者へリセール可能
防音性能は工事タイプに比べるとやや劣る
サイズによっては設置スペースが限られる
『防音室は、夏は暑く、冬は寒くないの?』
音が逃げないということは熱も逃がしにくくなりますので、夏冬はエアコンが必要になります。防音室(ヤマハ・カワイ)は木軸の特殊合板パネルですので、つなぎ目をさければ簡単にエアコン用の穴があきます。一般の電器店でも簡単に取り付けができます。その際に穴の隙間を粘土パテで埋めていただければ音の問題はありません。ユニット防音室は1.2畳からエアコンがつけられます。
※防音室専用のものは特に必要なく、6畳用壁掛エアコンを用意する必要があります。取付工事は必要ないので量販店ではなくネットショップで安く購入していただくのが良いかと思います。
ユニット防音室のチェックポイント
防音室設置可能かどうかのチェック(※は1980年(昭和55年)以前築である場合、仲介不動産業者orオーナーへの確認が必要。)
建築構造 | 賃貸の場合 | 持ち家・分譲の場合 |
---|---|---|
木造戸建て [1階に設置] | ※ | ※ |
木造戸建て [上階に設置] | ピアノ不可 ※ | ピアノ不可 ※ |
軽量鉄骨造 | 〇 | 〇 |
重量鉄骨造 | 〇 | 〇 |
鉄筋コンクリート(RC)造 | 〇 | 〇 |
鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造 | 〇 | 〇 |
グランドピアノを設置する場合は木造住宅の場合は1階がおすすめ。2階の場合は厳密にいえば不可能ではないのですが、住宅全体の強度補強が必要となり、膨大な費用がかかります。
ユニットのサイズをチェック
内寸 (約⚪︎cm) | 対応楽器 | 設置に必要な 部屋の大きさ |
---|---|---|
0.8畳 (95x135) | ●クラリネット、ボーカル | 4.0畳 |
1.2畳 (139x139) | ●サックス、フルート、ギター ●120x45(cm)の小デスク&チェア | 4.0畳 |
1.5畳 (130x180) | ●トロンボーン、バイオリン、チェロ ●120x90(cm)のゲーミングデスク&ゲーミングチェア | 5.0畳 |
2.0畳 (180x180) | ●アップライトピアノ | 6.0畳 |
2.5畳 (195x195) | ●アップライトピアノ | 6.0畳 |
3.0畳 (180x270) | ●グランドピアノ(C3まで) ●電子ドラム | 6.0畳 |
3.5畳 (180x320) | ●グランドピアノ(C5まで) | 8.0畳 |
3.7畳 (215x260) | ●グランドピアノ(C3まで) ※C5~は不可 | 8.0畳 |
4.3畳 (214x302) | ●グランドピアノ(C7まで) | 8.0畳 |
5.0畳~ (285x285) | ●アンサンブル ●シアタールーム ●スタジオ、他 | 5.5畳~ ※ユニット形状による |
空気層の確保がマスト上記に加え、遮音効果を高めるため、防音室と壁や天井との空気層の確保も必要です。壁は最低でも50mm、天井は最低100mm~200mmの空気層ができるように計算しましょう。
梁、柱、ドアが干渉しないかも必ず確認!ドアや窓・収納部分・照明器具・柱や梁などと干渉しないかも必ず確認しなければなりません。防音室を入れたらドアとぶつかった、押入れが使えなくなったなどということがないように、事前にチェックしましょう。
ユニット防音室の購入方法
ユニット防音室を導入するにはいくつかの選択肢があり、それぞれに必要な手続きが違いますので詳しく見ていきましょう。
各種ブランドのユニット防音室
YAMAHA セフィーネNSシリーズ

YAMAHAの防音室「セフィーネ」シリーズは、高い防音性能と品質の高さで人気があります。
音を遮るだけでなく、楽器に合った音響空間を作り上げることを目的としているのが最大の特長。調音パネルにより様々なニーズに合わせた防音室・音場を提供しています。
KAWAI ナサールシリーズ

KAWAIの「ナサール」シリーズも、楽器演奏者に人気の防音室です。
ラインナップの展開が幅広く、自分に合った製品が選びやすいのが特長。サイズも10.0畳まで対応しています。
既に廃盤となっているため中古しかありませんが、木目調でおしゃれな防音室等、まるで一つの部屋のように家に馴染んでくれる防音室があるのも魅力です。
近年急速に市場に広まる簡易防音室とは?
最近では、もっと手軽に導入できる「簡易防音室」も登場しています。また、吸音シート等を使ってDIYで格安に防音室を自作する場合も、このタイプに近いといえるでしょう。
非常にリーズナブルに用意できる反面、質量や密度は低いため防音室のような遮音性能は期待できません。
聴感上の音量を半分まで低減するためには、壁の厚みを4倍にしないといけないと言われていますのでそれもそのはず。ですが、吸音性能は高めることができるため、比較的フィルターしやすい高音域を中心に小〜中音量程度を制御するのであればある程度の効果が期待できるでしょう。
だんぼっち

航空産業に用いられるハニカム構造体の技術を応用した、リーズナブルかつ高耐久な簡易防音室。パーソナル空間を手軽に構築できるのが最大の魅力ですが、防音に対する姿勢も非常に真摯で、たかが段ボールと侮れない製品です。
工学博士と共同で研究・開発した素材を使用し、TVへ紙面へのメディア露出も多く、簡易防音室の中でNo.1の注目度を誇ります。
遮音性能に関しては防音室ほどではないですが、データ上Dr-20程度と言われています。
Classic PRO

サウンドハウスがプロデュースする音響機器ブランドCLASSIC PROの簡易防音室「CQRシリーズ」。
素材には、軽量かつ頑丈なプラスチックダンボールを採用しており、一人でも簡単に組み立てられるよう設計されています。
ラインナップは計四種類。内寸103.8(横幅)×103.8cm(奥行)のSサイズ、123.8(横幅)×123.8cm(奥行)のLサイズをベースに、高さ180cmもしくは195cmから選択可能。
遮音性能は吸音材なしでデータ上「-10〜15db」程度。
防音室で可能性を広げよう
防音室があると仕事や趣味の幅が一気に広がることがお分かりいただけたでしょうか?
「本格的な防音室」 と 「手軽な簡易防音室」 の違いを理解し、自分に合ったタイプを選ぶことが大切です。
是非防音室を取り入れて、より快適で充実した生活を手に入れましょう!